1945年8月6日灼熱の閃光に焼かれた広島の街に、緑の芽が吹き返したとき、人々はその姿に未来を重ね合わせました。爆心地から概ね2kmで被爆し、再び芽吹いた約160本の木々たちを、広島市では「被爆樹」として登録しています。
「緑の伝言プロジェクト」は広島市平和推進部の被爆樹木保存活動の支援を目的としたプロジェクトです。
広島市平和推進部では、爆心地から概ね2km以内に現存する被爆した樹木を調査、登録するとともに、被爆の実相を語り、惨禍を乗り越えた生命力の象徴として後世に引き継いでいくため、被爆樹木の樹勢回復措置を実施しています。樹勢回復措置として、樹木医の施工管理のもとに、状況に応じて支柱の設置や傷口の治療などを行っています。
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爆心地から概ね2kmで被爆し、再び芽吹いた約160本の木々たちを、広島市では「被爆樹」として登録しています。
被爆樹木は、爆心地側に傾いているという特徴があります。これは、放射線の影響で被害を受けた爆心地側の成長が遅れ、爆心地の反対側はそのまま成長し、成長速度のずれが生じ、成長が遅い爆心地側に傾くため、と考えられています。また同様の理由で、爆心地側の根張・枝が少ないという特徴があります。ただし、すべての樹木にあてはまるというわけではありません。
また、樹木には「根は重力の向きに、幹は重力とは逆向きに伸びる」重力屈性という性質があります。被爆樹木は被爆の影響で、この重力屈性という性質が失われ、幹や枝の曲がりくねりがみられます。ただし、すべての樹木にあてはまるというわけではありません。
ほかにも表皮の傷やあれ肌、空洞、コブなどが見られ、木材組織の異常がうかがえます。
被爆60周年を迎えた2005年、「緑の伝言」webサイトの初回版が公開されました。以来毎年、表現方法を変えながら被爆樹についてご紹介しています。過去の「緑の伝言」は下記からご欄いただけます。最新版と併せてお楽しみください。